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執筆者の写真奥野涼

7/23

初めて行くローソンは、妙に店員が多かった。

対して混んでるわけでもないのに。



友達を待たせているので、とりあえずサクッとアイスコーヒーを買おうと、レジへ並んだ。



僕の前の客が、レジで何やら話している。



結果的に、何も買わずに客は出て行った。

道でも尋ねていたのだろうか。



そして自分のレジの番がきたので、店員に、アイスコーヒーを注文した。



髪を茶色に染めた、22.3歳の女性だろうか。

おもむろにその店員が発した言葉に、僕は驚いた。




「アイスコーヒー一つ。」




「あー。すんません。いま無理っすね。レジ打ちたいんすけど、誰かのせいでめちゃくちゃ気分悪くなっちゃって。すんません。」




何を言ってるんだこいつは。

全身全霊の

「はぁ??」も全く届かず



「いや、だから…」と全く同じ内容を説明された。




さすがにカチンときた僕は



「いや、気分どうのこうのはどうでもいいから、とりあえずアイスコーヒーを買わせろ。LINE Payで。レジのアイスコーヒーボタン押してスキャンするだけ。早く。」



というと、彼女は「ちっ。」と舌打ちをして、嫌々レジのボタンを押し、僕のLINE Payのバーコードをスキャンしようとした。




すると


「あっ。無理っすね。LINE Pay使えないっすww」




なんですと??

そんなはずはない。



残高は十分に残っていたはずだ。

確実にこいつ、何かやってやがる。



そう思った僕は、客は少ないのに横のレジにも人がいたので、「もういい。」とその茶髪女のレジから離れ、横のレジへ移動した。



今度は黒髪の、割と大人しそうな18.9歳の女性だった。

なんとなく真面目な感じがしたので、少し安心して同じように注文をした。




すると、さっきの茶髪女と同じ理由で断られた。



「はぁ?!!」



と大きな不満を漏らすも、彼女達は頑なにレジを打とうとはしないのだ。



なんだこのコンビニは。

舐め腐ってやがる。




レジは打ってくれないは、LINE Payを使えないように何かしらされてるはで、八方塞がり。



このままさっきの客のように諦めて、違うコンビニに行くことも考えたが、どうにも腹の虫が収まらず、なんとしてでもこいつらからアイスコーヒーを買ってやろうと思った。



が、あらゆる方法で説得しようとも、彼女達は、

「すみません。誰かのせいで本当にレジ打てないんです。」

と話す。



「いや、だったら帰ってくれ。何のためにいるんだ。」

という問いには



「お金が欲しいからです。」

とはっきり返しやがる。




どう足掻こうと、突破口は見つからず、少し疲れ始めたその時だった。




その一部始終を見ていた、一人の女性店員がいきなり僕に



「すみません…。全部わたしのせいなんです…。本当にごめんなさい。」



と話してきた。









「いや誰!??あんたは!!!」







続く。


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