初めて行くローソンは、妙に店員が多かった。
対して混んでるわけでもないのに。
友達を待たせているので、とりあえずサクッとアイスコーヒーを買おうと、レジへ並んだ。
僕の前の客が、レジで何やら話している。
結果的に、何も買わずに客は出て行った。
道でも尋ねていたのだろうか。
そして自分のレジの番がきたので、店員に、アイスコーヒーを注文した。
髪を茶色に染めた、22.3歳の女性だろうか。
おもむろにその店員が発した言葉に、僕は驚いた。
「アイスコーヒー一つ。」
「あー。すんません。いま無理っすね。レジ打ちたいんすけど、誰かのせいでめちゃくちゃ気分悪くなっちゃって。すんません。」
何を言ってるんだこいつは。
全身全霊の
「はぁ??」も全く届かず
「いや、だから…」と全く同じ内容を説明された。
さすがにカチンときた僕は
「いや、気分どうのこうのはどうでもいいから、とりあえずアイスコーヒーを買わせろ。LINE Payで。レジのアイスコーヒーボタン押してスキャンするだけ。早く。」
というと、彼女は「ちっ。」と舌打ちをして、嫌々レジのボタンを押し、僕のLINE Payのバーコードをスキャンしようとした。
すると
「あっ。無理っすね。LINE Pay使えないっすww」
なんですと??
そんなはずはない。
残高は十分に残っていたはずだ。
確実にこいつ、何かやってやがる。
そう思った僕は、客は少ないのに横のレジにも人がいたので、「もういい。」とその茶髪女のレジから離れ、横のレジへ移動した。
今度は黒髪の、割と大人しそうな18.9歳の女性だった。
なんとなく真面目な感じがしたので、少し安心して同じように注文をした。
すると、さっきの茶髪女と同じ理由で断られた。
「はぁ?!!」
と大きな不満を漏らすも、彼女達は頑なにレジを打とうとはしないのだ。
なんだこのコンビニは。
舐め腐ってやがる。
レジは打ってくれないは、LINE Payを使えないように何かしらされてるはで、八方塞がり。
このままさっきの客のように諦めて、違うコンビニに行くことも考えたが、どうにも腹の虫が収まらず、なんとしてでもこいつらからアイスコーヒーを買ってやろうと思った。
が、あらゆる方法で説得しようとも、彼女達は、
「すみません。誰かのせいで本当にレジ打てないんです。」
と話す。
「いや、だったら帰ってくれ。何のためにいるんだ。」
という問いには
「お金が欲しいからです。」
とはっきり返しやがる。
どう足掻こうと、突破口は見つからず、少し疲れ始めたその時だった。
その一部始終を見ていた、一人の女性店員がいきなり僕に
「すみません…。全部わたしのせいなんです…。本当にごめんなさい。」
と話してきた。
「いや誰!??あんたは!!!」
続く。
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